クレジットカードの店頭決済では、以前は暗証番号を入力せず、伝票にサインを書いて本人確認することがありました。
しかし2025年4月から、この「暗証番号を省略してサインで本人確認する方法」は原則として廃止されています。
正確には、ICカード決済で暗証番号入力を飛ばし、代わりにサインで本人確認するPINバイパスが廃止されたということです。
そのため現在は、ICチップを使った店頭決済では暗証番号(PIN)による本人確認が基本です。一方、一定金額以内のタッチ決済などでは、暗証番号を入力せずに支払える場合もあります。
この記事では、クレジットカードのサイン廃止がいつから始まったのか、なぜ廃止されたのか、2025年4月以降はどう支払うのか、暗証番号を忘れた場合の対処法までわかりやすく解説します。
結論|2025年4月からPINバイパスが原則廃止
クレジットカードのサイン廃止は、
2025年4月1日から
と考えると分かりやすいです。
より正確には、2025年3月31日まででPINバイパスの運用が終了し、2025年4月以降はICカード決済で暗証番号入力を省略してサインへ切り替える方法が原則利用できなくなりました。
そのため、
「暗証番号を忘れたのでサインでお願いします」
という従来の使い方は、基本的にできません。
ただし、サインという行為そのものがすべての決済から完全になくなったわけではありません。
店舗やカード種類、利用者の状況によっては例外的にサインを求められる場合があります。
PINバイパスとは?
PINバイパスとは、クレジットカードのICチップ決済で本来必要な暗証番号入力を省略し、代わりに自筆サインで本人確認する方法です。
以前は、
カードを端末へ挿入
↓
暗証番号を求められる
↓
「暗証番号が分からないのでサインで」
↓
伝票へサイン
という対応が行われることがありました。
この暗証番号入力を飛ばしてサインへ切り替える仕組みが、PINバイパスです。
2025年4月以降はこの運用が原則廃止され、
ICカード決済なら暗証番号を入力する
という方法が基本になりました。
なぜクレジットカードのサイン認証は廃止された?
PINバイパスが廃止された大きな理由は、クレジットカードの不正利用対策です。
手書きサインは、店舗側がカード裏面の署名と照合することで本人確認する仕組みでした。
しかし実際には、
- サインを細かく照合しにくい
- 第三者でも似たサインを書ける可能性がある
- 店舗スタッフによる確認にばらつきが出る
といった問題があります。
一方、暗証番号はカード利用者本人しか知らないことを前提とした本人確認方法です。
そのため、ICチップと暗証番号を組み合わせた決済を基本にすることで、本人確認を強化する狙いがあります。
2025年4月以降の店頭決済はどう変わった?
現在のクレジットカード決済は、大きく分けると次のようになります。
| 支払い方法 | 本人確認 |
|---|---|
| ICカードを端末へ挿入 | 原則として暗証番号 |
| 一定金額以内のタッチ決済 | 暗証番号不要の場合あり |
| スマホのタッチ決済 | 生体認証などで完了する場合あり |
| ネットショッピング | 3Dセキュアなど別の本人認証 |
つまり、2025年4月以降は、
「暗証番号を忘れたらサイン」という逃げ道がなくなった
と考えると分かりやすいです。
その代わり、タッチ決済やスマホ決済など、暗証番号を入力せず支払える方法も普及しています。
高額な買い物では暗証番号が重要になる
コンビニなどの少額決済ではタッチ決済だけで終わることが多いため、暗証番号を入力する機会がほとんどない人もいるでしょう。
しかし、
- 家電
- 家具
- ブランド品
- 高額な買い物
- 一部のホテルや旅行関連支払い
などでは、カードを端末へ挿入して暗証番号を求められることがあります。
普段タッチ決済しか使わない人ほど、
いざというときに暗証番号が分からない
ということがあります。
サインへ切り替える方法が原則使えなくなった現在は、暗証番号を把握しておくことが以前より重要です。
タッチ決済なら暗証番号はいらない?
一定金額以内なら、タッチ決済は暗証番号なしで利用できる場合があります。
例えばVisaのタッチ決済では、国内で原則15,000円まで暗証番号やサインなしで利用できると案内されています。
ただし、
15,000円=タッチ決済の絶対上限
という意味ではありません。
金額や店舗端末、カード・スマホ側の本人認証方法によっては、15,000円を超えてもタッチ操作で決済できる場合があります。
逆に、少額でも不正利用防止などのため本人確認を求められることがあります。
タッチ決済の15,000円については別記事で詳しく解説しています。
【関連記事】タッチ決済の限度額はいくら?15,000円を超えたらどうなるか解説
「1万円を超えたらタッチできない」は古い考え方
以前は、
「タッチ決済は1万円まで」
という情報も多くありました。
しかし現在は、少なくともVisaでは原則15,000円まで本人認証なしで利用できる案内になっています。
さらに重要なのは、
15,000円を超えたら必ずタッチ決済できないわけではない
という点です。
そのため、
「1万円を超えたらカードを挿す」
「1万5,000円を超えたらタッチ不可」
と単純に覚えるのではなく、
一定金額を超えると追加の本人認証が必要になる場合がある
と考える方が正確です。
暗証番号を忘れた場合はどうする?
PINバイパスが廃止されたため、暗証番号を忘れたときに適当な番号を入力するのは避けましょう。
カード会社やカード種類によっては、暗証番号を一定回数以上間違えるとICチップの利用がロックされる場合があります。
具体的なロック回数は公表されていない場合もあります。
暗証番号が分からない場合は、
カード会社の公式サイトや会員ページから、暗証番号の確認・変更方法を調べる
のが基本です。
カード会社によって、
- Webで照会
- 郵送で通知
- 暗証番号変更
- カード再発行
など対応が異なります。
旅行や高額な買い物を予定している人は、直前ではなく早めに確認しておくと安心です。
暗証番号をカードに書いておくのはNG
暗証番号を忘れないために、
「カードの裏に小さく書いておこう」
と考えるのは避けてください。
カードと暗証番号を一緒に保管すると、カードを紛失した際に第三者に利用されるリスクが高まります。
また、
- 生年月日
- 電話番号
- 1234
- 0000
など、他人から推測されやすい番号も避けた方が安全です。
暗証番号は本人だけが分かる形で管理しましょう。
家族カードも暗証番号を確認しておく
家族カードを利用している場合も、家族会員本人の暗証番号を確認しておくことが大切です。
特に、
- 高齢の親が家族カードを使っている
- 普段はタッチ決済しか使わない
- 暗証番号を何年も入力していない
という場合は、高額決済で突然暗証番号を求められて困ることがあります。
ただし、暗証番号を家族同士で共有して使うのではなく、カード利用者本人が自分の暗証番号を管理するのが基本です。
サインが完全になくなったわけではない
2025年4月から原則廃止されたのは、暗証番号入力を省略してサインで本人確認するPINバイパスです。
そのため、
「クレジットカード決済でサインという行為が完全になくなった」
という意味ではありません。
例えば、タッチ決済で一定の本人確認が必要になった場合や、カード種類・利用環境によって暗証番号認証ができない場合など、例外的にサインを求められることがあります。
また、視覚等の障がいによって暗証番号入力が難しい利用者については、店舗側で合理的な配慮が必要になる場合があります。
つまり現在は、
暗証番号を忘れたからサインへ切り替えることは原則できないが、例外的にサインが使われる場面は残っている
と理解するのが正確です。
サイン廃止で困りやすい人は?
今回の変更で特に影響を受けやすいのは、普段ほとんど暗証番号を使っていない人です。
例えば、
- タッチ決済しか使わない
- ネットショッピング中心
- 久しぶりにカードを使う
- 家族カードを使っている
- 高齢の家族がカードを使っている
- 高額な買い物を予定している
- 海外旅行を予定している
といった人です。
普段は問題なく使えていても、家電や旅行代金など高額な支払いで突然暗証番号を求められることがあります。
そのときに番号が分からないと、以前のように「サインでお願いします」と切り替えられません。
そのため、暗証番号は使う予定がなくても事前に確認しておく方が安心です。
Apple PayやGoogle Payなら暗証番号は不要?
Apple PayやGoogle Payなどのスマホ決済では、端末側で生体認証や画面ロック解除などの本人確認が行われます。
そのため、物理カードを挿して暗証番号を入力するより、スムーズに支払えるケースがあります。
ただし、
スマホならどんな金額でも必ず追加認証なしで使える
という意味ではありません。
店舗端末やカードブランド、利用金額によっては、別の本人確認を求められることがあります。
スマホ決済は便利ですが、暗証番号そのものが不要になるわけではないと考えておきましょう。
ネットショッピングには影響ある?
PINバイパス廃止は、基本的に対面でICカードを使う決済の話です。
そのため、ネットショッピングでカード番号を入力する決済には直接関係ありません。
ただし、現在のネット決済では、3Dセキュアなど別の本人認証が使われます。
つまり、
- 店頭IC決済 → 暗証番号
- ネット決済 → 3Dセキュアなど
というように、利用場所によって本人確認方法が異なります。
タッチ決済が使えないときはどうする?
サイン廃止後でも、タッチ決済が必ず使えるわけではありません。
例えば、
- 店舗端末が非対応
- カード自体がタッチ決済非対応
- カードの利用可能額不足
- 不正利用防止による一時制限
- スマホ側の設定不備
- 店舗側の決済操作の違い
などで使えないことがあります。
その場合は、カードを端末へ挿入し、暗証番号で本人確認する方法へ切り替えることがあります。
【関連記事】タッチ決済が使えないのはなぜ?マークがあるのに反応しない原因と対処法
タッチ決済対応カードへ切り替える必要はある?
サイン廃止になったからといって、今すぐ新しいカードへ切り替える必要があるわけではありません。
ICチップ付きカードであれば、暗証番号を使って通常どおり決済できます。
一方で、手持ちのカードがタッチ決済非対応なら、次回更新やカード見直しのタイミングでタッチ決済対応カードを選ぶのは一つの方法です。
タッチ決済なら、少額の買い物で暗証番号を入力せず支払えることも多いため、日常使いでは便利です。
【関連記事】タッチ決済対応のリクルートカード|還元率1.2%を活かす使い方・メリットまとめ
クレジットカードのサイン廃止についてよくある質問
Q. クレジットカードのサインはいつ廃止された?
2025年4月1日から、ICカード決済で暗証番号入力を省略し、サインで本人確認するPINバイパスが原則廃止されました。
Q. 2025年4月以降はサインを一切使わない?
一切使わないわけではありません。
タッチ決済や特殊なカード、合理的配慮が必要なケースなどで、例外的にサインを求められることがあります。
Q. 暗証番号を忘れたらサインに切り替えられる?
原則できません。
カード会社の公式案内から暗証番号の確認・変更手続きを行いましょう。
Q. 暗証番号を何回間違えるとロックされる?
一定回数以上間違えるとロックされる場合がありますが、具体的な回数はカード会社から公表されていないことがあります。
適当に何度も入力するのは避けた方が安全です。
Q. タッチ決済なら暗証番号は不要?
一定金額以内なら不要な場合があります。
例えばVisaでは原則15,000円まで暗証番号やサインなしで利用できます。
ただし、金額や端末などによって本人確認を求められる場合があります。
Q. 15,000円を超えるとタッチ決済できない?
必ずしもそうではありません。
15,000円はVisaの本人認証不要ラインの目安で、タッチ決済そのものの絶対上限ではありません。
【関連記事】タッチ決済の限度額はいくら?15,000円を超えたらどうなるか解説
Q. 家族カードもPINバイパス廃止の対象?
基本的には本カードと同様です。
家族カード利用者本人も、自分の暗証番号を確認しておくと安心です。
Q. デビットカードやプリペイドカードも同じ?
カード種類や発行会社によって本人認証の扱いが異なるため、一律には言えません。
利用しているカード会社の最新案内を確認してください。
Q. ネットショッピングには影響ある?
PINバイパス廃止の直接対象ではありません。
ネット決済では3Dセキュアなど別の本人認証が使われます。
Q. 海外でもサインは廃止されている?
国や地域によって運用が異なります。
海外ではサインを求められる店舗が残っている場合もあります。
まとめ
以上、クレジットカードのサイン廃止はいつから?暗証番号・タッチ決済への変更を解説…というお話でした。
2025年4月から原則廃止されたのは、暗証番号入力を省略してサインで本人確認するPINバイパスです。
ポイントを整理すると、
- 2025年4月からPINバイパスが原則廃止
- ICカード決済では暗証番号が基本
- 暗証番号を忘れてもサインへ切り替える方法は原則使えない
- タッチ決済は一定金額以内なら暗証番号不要の場合がある
- Visaでは原則15,000円まで本人認証不要
- 15,000円はタッチ決済そのものの絶対上限ではない
- サインという行為が完全になくなったわけではない
- ネット決済は3Dセキュアなど別の本人認証を使う
- 暗証番号は使う予定がなくても事前に確認しておくと安心
普段タッチ決済ばかり使っていると、暗証番号を入力する機会は少なくなります。
ただ、高額な買い物やタッチ決済が使えない場面では、今後も暗証番号が必要です。
「サインで何とかなる」と考えず、カード会社の会員ページなどで暗証番号の確認方法を把握しておきましょう。