高速道路全てがETC専用化!メリット・デメリットと背景

最近、高速道路の料金所で「一般」レーンがなくなって、「サポート」レーンに変わったり、「ETC専用」の表示が増えたりしていませんか?

これは、国土交通省が進める「高速道路のETC専用化計画」の一環です。この計画では、2030年頃までに全国の高速道路の料金所をすべてETC専用にするという目標が掲げられています。

では、なぜETC専用化をするのでしょうか?どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?今回は、そんな疑問に答えていきたいと思います。

 

なぜETC専用化をするのか?

高速道路のETC専用化には、主に以下の3つの理由があります。

  1. ETC専用化になる理由

    • 料金収受員の確保が困難
    • 感染症リスクの軽減
    • 通行料金制度の改革

順番に見ていきましょう。

1.料金収受員の確保が困難

現金で料金を支払う一般レーンでは、料金収受員が必要です。しかし、人手不足やコロナ禍などの影響で、料金収受員の確保が困難になっています。特に首都圏では、24時間体制で3倍以上の人員が必要とされますが、十分な応募者が集まらないという状況です。

また、料金収受員は感染症や事故などのリスクも高く、労働環境も厳しいです。そのため、人の手を介さずに料金を自動的に支払うETCレーンに切り替えることで、人件費や労務管理の負担を軽減することができます。

2.感染症リスクの軽減

一般レーンでは、利用者と料金収受員が接触することで感染症リスクが発生します。特にコロナ禍では、このリスクを避けることが重要です。実際に、首都高では2020年から2021年にかけて、料金所で働く収受員や警備員など合計50人以上がコロナに感染しています。そのため、一部の料金所では一般レーンを閉鎖して対応していました。

ETCレーンでは、利用者と料金収受員の接触がなくなるため、感染症リスクを大幅に軽減することができます。

3.通行料金制度の改革

現在、高速道路の通行料金は距離制です。つまり、走った距離に応じて料金が決まります。しかし、この制度では渋滞や環境への影響を考慮できません。

そこで、国土交通省は、通行料金制度の改革を検討しています。その一つが「ロードプライシング」です。

ロードプライシングとは、道路の利用状況や時間帯、車種などに応じて料金を変動させる制度です。

例えば、渋滞が多い時間帯や区間では料金を高くし、逆に空いている時間帯や区間では料金を安くするという仕組みです。これにより、道路の利用者に適正な負担を求めるとともに、渋滞の緩和や環境負荷の低減などの効果が期待できます。

しかし、ロードプライシングを実現するには、ETC専用化が必要です。なぜなら、現金で料金を支払う一般レーンでは、料金の変動に対応できないからです。ETCレーンでは、料金の変動を自動的に反映できるため、ロードプライシングに適しています。

 

ETC専用化のメリット

高速道路のETC専用化には、利用者にとってもメリットとデメリットがあります。まずメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  1. ETC専用化のメリット

    • 通行がスムーズになる
    • 割引サービスが充実する
    • ポイント還元や付帯保険などの特典が受けられる

1.通行がスムーズになる

ETC専用化により、料金所で停止する必要がなくなります。

これにより、通行がスムーズになり、時間や燃費の節約にもなります。また、事故やトラブルの発生も減ることが期待できます。

2.割引サービスが充実する

ETCカードを利用すると、休日割引や深夜割引などの割引サービスが受けられます。

つまり通行料金を節約することができます。また、ロードプライシングが導入されれば、空いている時間帯や区間ではさらに安くなる可能性もあります。

3.ポイント還元や付帯保険などの特典が受けられる

ETCカードはクレジットカードと一緒に発行されることが多いです。

その場合、ETCカードの利用分もポイント還元されたり、付帯保険や特典サービスが受けられたりします。これにより、お得感や安心感が高まります。

 

ETC専用化のデメリット

一方でデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  1. ETC専用化のデメリット

    • ETC車載器やETCカードの購入・設置・更新が必要
    • 利用できないICや出入口がある
    • 通行料金の変動に注意する必要がある

1.ETC車載器やETCカードの購入・設置・更新が必要

ETC専用化に対応するためには、ETC車載器やETCカードを購入・設置・更新する必要があります。

これには費用や手間がかかります。特に古い車両やレンタカーでは、ETC車載器が搭載されていない場合もあります。

2.利用できないICや出入口がある

ETC専用化されたICや出入口は、ETC車載器やETCカードがないと利用できません。

これにより、利用できるルートが制限されたり、迂回したりする必要があります。特に地方や離島などでは、ETC専用化されたICや出入口が唯一のアクセスルートになっている場合もあります。

3.通行料金の変動に注意する必要がある

ETC専用化により、通行料金は距離制からロードプライシングに変わる可能性があります。

これにより、通行料金は道路の利用状況や時間帯、車種などに応じて変動することになります。

つまり、一定の料金を予測しやすい距離制と比べて、利用者にとって分かりにくくなるかもしれません。また、渋滞が多い時間帯や区間では料金が高くなることもあります。そのため、通行料金の変動に注意する必要があります。

 

ETC専用化の理由とメリットまとめ

高速道路のETC専用化は、国土交通省が進める「高速道路のETC専用化計画」の一環です。

この計画では、2030年頃までに全国の高速道路の料金所をすべてETC専用にするという目標が掲げられています。

 

最後にもう一度まとめてみると

ETC専用化には、料金収受員の確保が困難、感染症リスクの軽減、通行料金制度の改革などの理由があります。

また、利用者にとってもメリットとデメリットがあります。

  • メリット・・・通行がスムーズになる、割引サービスが充実する、ポイント還元や付帯保険などの特典が受けられるなど
  • デメリット・・・ETC車載器やETCカードの購入・設置・更新が必要、利用できないICや出入口がある、通行料金の変動に注意する必要があるなど

ETC専用化は今後も進んでいく予定ですので、利用者はその変化に対応していく必要があります。

以上が、高速道路のETC専用化についてのお話でした。ETC専用化は、高速道路の利用者にとって大きな変化です。

メリットもデメリットもありますので、自分の利用状況やニーズに合わせて、ETC車載器やETCカードを準備したり、通行料金の変動に注意したりすることが大切です。

高速道路は私たちの生活や旅行に欠かせない交通手段です。ETC専用化によって、より快適で安全で環境に優しい高速道路になることを期待しましょう。

まだETCカードを持っていない方は、早めにクレジットカードに付帯するETCカードを作ったほうがいいでしょう。

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